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2026/11/05 受渡分

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前日比 +3.26 円/kWh

出典:JEPX

東京ガス、家庭用蓄電池の放電を最大70円/kWhで買取へ|条件とVPPの仕組みを解説

太陽光パネルと家庭用蓄電池のある住宅を描いた、東京ガスの新サービス解説用イメージ

家庭の蓄電池は、停電への備えや太陽光の自家消費だけでなく、電力需給を支える設備としても活用が進んでいます。今回のニュースは、その協力に対して家庭へどう対価を返すか、という取り組みです。

対象ニュースの発表日は2026年11月4日です。東京ガスは同月に「蓄電池ネットワークサービス」を拡充すると発表しました。本記事は11月5日時点の公表情報に基づき、発表内容と編集部の分析を分けて整理します。

1. 何が発表された?家庭の蓄電池から系統へ放電

東京ガスの11月4日付発表によると、遠隔制御によって家庭用蓄電池から電力系統に送った電気を買い取る仕組みを導入します。制御予定や履歴、効果を確認するマイページも提供します。

ここでいう系統は、地域の送配電網のことです。家の中で蓄電池の電気を使うだけでなく、家の外へ電気を送り、電力システム側で活用する点がポイントです。

11月4日は発表日、サービス拡充は2026年11月です。また、同社が予定する容量市場への供給力提供は2027年4月からであり、今回の発表時点で本格提供が始まったという意味ではありません。

2. 「最大70円/kWh」は、いつでも売れる価格ではない

発表された買取条件は、制御の目的によって分かれます。容量市場の発動指令など、その日の需給状況に応じる「当日制御」は70円/kWh。市場価格などを予測して行う「前日制御」は、同社の定義する電力量料金単価に10円/kWhを加えた額です。

前日制御の基準は、東京ガス基本プランの300kWh超の電力量料金、燃料費調整、再エネ賦課金の合計です。いずれの買取額も太陽光の買取単価を含むため、通常の売電単価にさらに70円を足すわけではありません。

対象機種や契約条件があり、東京ガスとの電気需給契約と太陽光の電力受給契約などが必要です。具体的な適用条件は公式発表の買取条件とサービス案内で確認できます。自分の好きな時間に放電すれば、必ず同じ単価が適用される仕組みではありません。

3. 背景にあるDR・VPPの仕組み

資源エネルギー庁のVPP・DRの説明では、DRは需要家側の設備を制御して電力需要のパターンを変えること、VPPは分散した設備を制御して発電所と同等の機能を提供することと整理されています。

例えば、家庭で蓄電池を放電して自宅の消費を賄うと、系統から買う電気を減らせます。さらに、設備や契約の条件が整えば、系統へ電気を送り出すこともできます。前者の「購入量を減らすこと」と、後者の「系統への送電量を増やすこと」は区別すると理解しやすくなります。

一軒ごとの設備は小さくても、多数の蓄電池をまとめて制御すれば、必要な時間の需給調整に活用できます。ただし、蓄電池は電気を新しく生み出す設備ではありません。あらかじめ充電し、放電後には残量を回復させる必要があります。

資源エネルギー庁が示すVPP・DRの意義は、もともと家庭や企業が別の目的で持つ設備を活用できる点にあります。今回のような対価の仕組みは、設備を持つ側が参加する理由をつくる取り組みと捉えられます。

4. 家庭への影響:売電収入と利益を分けて考える

ここからは、仕組みを理解するための編集部の計算例です。70円/kWhの条件を満たす系統放電が2kWhあったと仮定すると、買取額は2kWh × 70円/kWh = 140円です。実際の制御量や頻度を示す数字ではありません。

この140円が、そのまま参加による利益になるとは限りません。充電に必要な電気の費用や損失、参加しなければ自宅で使えた電気の価値、設備の使用に伴う影響も考える必要があります。

比較するのは「参加した場合」と「参加しなかった場合」の電気代・売電収入の差です。最大単価だけを年間を通じて掛け算して、年間収益を見積もることはできません。

家庭にとって確認したいのは、制御後にどれだけ残量を確保できるか、停電への備えと両立できるか、予定や実績をどこまで確認できるかです。日々の暮らしに支障なく続けられる条件が、単価と同じくらい重要になります。

5. 電力事業者への影響と今後の注目点

編集部の見方では、事業者側の論点は「蓄電池の台数を増やすこと」だけではありません。必要な時刻に使える出力、継続できる時間、通信や制御の確実性を管理し、顧客への還元と事業収支を両立させる必要があります。

容量市場との関係を読む際は、供給できる能力の価値と、実際に送った電力量の買取を混同しないことが大切です。制度の基本は、既存の容量市場とは?供給能力に対価が支払われる仕組みで解説しています。今回の家庭向け70円/kWhを、容量市場の落札単価として読むことはできません。

今後は、実際の参加規模、制御頻度、家庭への還元実績、必要な時間帯に確保できた供給力が注目点です。サービスの拡充だけで、全国の卸電力価格がどの程度下がるかまで断定することはできません。

発表された仕組みは確認できますが、普及の速度や市場全体への効果は今後の実績を見て評価する段階です。

6. まとめ

今回のニュースの核心は、家庭用蓄電池を系統のために活用する際、その価値を家庭へ還元する仕組みを具体化したことです。最大買取単価だけでなく、適用条件、実際の制御量、暮らしとの両立まで見ると、事業の意味がわかります。

家庭には参加のメリットを判断する材料が増え、電力事業者には分散設備を安定した供給力として運用する力が求められます。今後は、発表内容が実際の還元と需給への貢献にどうつながるかを確認していきたいところです。

参考資料・一次情報

東京ガス:家庭用蓄電池の系統放電を最大70円/kWhで買い取るサービスを開始(2026年11月4日発表)

資源エネルギー庁:VPP・DRとは

資源エネルギー庁:VPP・DRの意義

※数値例は説明用の仮定です。アイキャッチはAI生成のイメージであり、実在の設備写真ではありません。

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